概要
BYDが新型ATTO 3 EXを発売すると同時に旭川に新店舗をオープンさせ、中国発EVメーカーが日本市場での攻勢を一段と強めていることを印象づけた。単なる新車投入にとどまらず、出店という形で物理的な接点を広げている点が、このメーカーの本気度を物語っている。EV専業メーカーがここまで地道に販売網を拡大していく姿は、国内市場における競争構図を静かに、しかし確実に変えつつある。
詳細
その一方で、国産メーカーも決して受け身ではなかった。トヨタは9月末から10月初めにかけての国内新車販売・車名別ランキングで存在感を発揮し、中野で開催されたカーライフイベントにも名を連ねる形で露出を重ねた。ホンダはN-BOXが車名別ランキングで首位級の話題を継続しており、軽自動車市場における圧倒的な販売力を改めて示している。スズキもまた8月の国内新車販売で大幅増を記録したと報じられ、軽・小型車セグメントでの強さが際立った。輸入車勢からはフォルクスワーゲンが新型ID. Tiguanを発表しつつ、ID.シリーズを中心とした全国ポップアップ展開で接点を広げ、EVシフトを国内消費者に訴求し続けている。こうした新車・販売ニュースの陰で、移動のあり方そのものを変えるプレイヤーたちも動いていた。LUUPは9月30日の安全講習会やさいたま市での展開拡大を通じて、電動キックボード型シェアモビリティの定着を着実に進めている。HELLO CYCLINGは会員数600万人突破というマイルストーンを9月に達成し、国内最大級のシェアサイクルとしての地位を固めた格好だ。通信領域からはpovoが期間限定のデータ・トッピング施策を継続しており、クルマ移動と通信契約を見直す生活者の文脈と結びつきながら話題を保っている。用品分野ではオートバックスが10月1日に中古カー用品店をオープンさせ、新車・中古車どちらの需要にも応える裾野の広い戦略を見せた。
まとめ
新車販売の最前線ではBYDのような新興勢力と国産メーカーがそれぞれの強みを発揮し合い、同時にシェアモビリティという「所有しない移動」の選択肢も着実に存在感を増している。EVへの関心と軽自動車の根強い人気、そして移動サービスの多様化が同時並行で進む今の自動車市場は、単純な販売台数競争では捉えきれない複層的な動きを見せ始めている。