概要
楽天市場が10月4日から9日にかけて展開した「ジャンル祭」と、10月24日に始動した買い回りキャンペーンが、ECサイト業界全体の空気を一気に押し上げた。複数ショップでの購入でポイント還元率が跳ね上がる仕組みは、消費者の「ついで買い」心理を巧みに刺激し、楽天経済圏全体の回遊性を高める結果となった。単発のセールではなく、月をまたいだ連続施策として設計されている点が、今回の動きをより強いものにしている。
詳細
その楽天の勢いに真っ向から対抗したのがau PAY マーケットだ。10月の「三太郎の日」特典とお買い物ラリーを組み合わせ、高還元を前面に押し出す施策を展開し、au経済圏のユーザーを囲い込みにかかった。還元競争という意味では、楽天リーベイツも負けていない。提携ストア数が1,000を突破したと発表し、ポイント還元サービスとしての規模拡大を裏付けた。グルメ領域に目を移すと、楽天ぐるなびが10月1日から「ご当地おにぎりグランプリ2026」を開始し、地域色豊かなポイント施策で食とECの接点を広げている。食べログもネット予約と連動したクーポン配布キャンペーンを打ち出し、飲食店予約とEC的な送客の境界があいまいになりつつある現状を映し出した。ふるさと納税の領域では、ふるなびが10月21日に旭川市の旅行ポイント型返礼品を追加したと発表し、「モノ」から「体験」へと返礼品の価値がシフトしている流れを後押しした。決済・ポイント経済圏でも動きは活発だ。Vポイントは10月22日にパワースポットアプリ「パワスピ」とのポイントクラブ連携を開始し、くじ施策も同時に展開することで若年層の取り込みを図った。Pontaも10月29日開始予定の新しい交換サービスを発表し、ポイントの使い道を広げることで利用者の囲い込みを強化しようとしている。au PAYは東京ポイントとの交換やかっぱ寿司との連動施策を通じて、決済系サービスならではの「お得感」を打ち出し続けた。そして、ギフト市場ではポチッとギフトが20周年を記念した大感謝祭の第2弾を10月16日に開始し、デジタルギフトという新しい贈り物の形を定着させつつある。
まとめ
総じて見ると、今日のEC・ポイント経済圏は、楽天とauという二大勢力の還元競争を軸に、ふるさと納税・グルメ予約・デジタルギフトといった周辺領域まで巻き込みながら拡大を続けている。各社が共通して狙うのは、単発の購入ではなく「経済圏」への囲い込みであり、ポイントという共通言語を通じて消費者の生活動線そのものを取り込もうとする動きが鮮明になっている。秋のセール商戦が本格化する中、この還元合戦がどこまで消費を押し上げるかが注目される。