概要
英会話業界では今、二つの大手が真っ向から火花を散らしている。DMM英会話が10月に打ち出した大規模キャンペーンは、長らく学習を休止していた利用者の再活性化を狙った攻めの施策であり、休眠会員を掘り起こす戦略が透けて見える。これに呼応するかのように、ネイティブキャンプ英会話も秋の特別キャンペーンを展開し、新規会員の獲得に力を注いでいる。両社の動きは単独では語れず、オンライン英会話市場全体のシェア争いが秋の学習需要期を迎えて一気に激化していることの表れだ。価格や特典をめぐる綱引きは、利用者にとっては恩恵である一方、各社の収益構造にとっては体力勝負の局面に入ったことを意味している。
詳細
この英会話戦線の熱気に続くように、専門領域の教育機関も存在感を強めている。カフェトークではHapa英会話が仕掛けた秋学期の販売施策が学習者の関心を集めており、個人レッスン型のプラットフォームにも波及効果が及んでいる様子がうかがえる。一方、資格取得の世界ではTACが情報処理安全確保支援士講座の新規募集を開始し、企業のセキュリティ人材需要の高まりを背景にした動きを見せた。これと並行してAVILENのE資格講座が給付制度の対象に指定されたことは、学習者にとって金銭的なハードルが下がったことを意味し、AI関連人材の育成を国が後押しする流れが具体的な制度として形になった象徴的な出来事と言える。教育機関にとって給付対象指定は集客力に直結するだけに、今後同様の動きが他の講座にも広がる可能性がある。高校教育の現場でも動きは止まらない。飛鳥未来きずな高校は2026年10月6日から9日にかけての集中スクーリング実施を発表し、通信制高校ならではの柔軟な学習スタイルを改めて印象づけた。履正社高等学校は2027年4月に新設予定の国際教養コースについて、10月18日に説明会を開くことを告知し、数年先を見据えた学校選びの早期化という傾向を映し出している。個別指導の分野では栄光の個別ビザビが私立中高生向けの新コースを開講し、受験競争が早期化する中での需要を的確に捉えようとしている。企業研修の分野に目を向けると、日本デジタル経営パートナーズがITコーディネータ資格取得研修の募集を開始し、企業のDX推進に伴う人材育成需要を取り込もうとする動きが見える。さらにTCJ日本語総合研究所は登録日本語教員のWEB模試を新たに販売開始し、国家資格化が進む日本語教員試験に向けた受験対策市場の立ち上がりを感じさせる内容となっている。
まとめ
こうして俯瞰すると、今日の教育市場は語学・資格・学校教育という三つの軸でそれぞれ異なる温度感の動きが同時に進んでいることが見えてくる。語学分野ではキャンペーン合戦による顧客獲得競争が激しさを増し、資格分野では給付制度や新設講座を通じて国の政策と連動した需要拡大が進む。そして学校教育の現場では、数年先を見据えたコース新設やスクーリング計画が着々と公表され、受験生や保護者の長期的な選択を促している。秋という季節は学び始めや進路検討のタイミングが重なりやすく、各教育機関がこの時期に合わせて一斉に施策を打ち出しているのは偶然ではない。今後、キャンペーンの効果や給付対象講座への申し込み状況が、来年度以降の教育市場の勢力図を左右していくことになりそうだ。